「個性を捨てろ! 型にはまれ!」 三田紀房著
先日読んだ三田氏の書籍がおもしろかったので
また買ってみたという次第。
以前から気になっていたタイトルだけに好都合だったかも。
ということでレビュー。
かなりインパクトのあるタイトルであるが、
没個性をうたう内容ではないことをあらかじめ断わる。
どちらかというと「ゆとり」的な考え方に一括するものだ。
基礎無くして応用無し、という基本概念が本書には存在する。
当たり前ゆえに盲点であるとも考える。
なぜなら現代社会において個性重視そのものが基本と捉えられることも多いからだ。
ゆえに没個性を極めた先に個性があると説く。
コードも知らないやつがギターを弾きこなすことは不可能だ。
同じようにキャッチボールも満足に出来なければ野球選手にもなれぬ。
当たり前すぎることなのに、
なぜか例外を求めて基礎をおろそかにしてしまいがちな人間。
その背景に存在するのは
「当たり前のことをやってても全然伸びないし、なんだかばからしい。」
「伸びる奴はきっと特別な秘策を使っているに違いない!」
三田氏はそこに一括を入れる。
「本当に当たり前のことを十分にやっている奴などいない!」
なるほどなるほど。
電電の知る実例を挙げると、宮本武蔵がそうだ。
彼は鎖鎌と対決した際、初めて二刀流を用いたそうだ。
彼自身その段階で相当強かったわけだが、
それまでの鍛練・熟練度を基にして二刀流で相手を倒したのだ。
実際その後二刀流(とその亜流)が流行したそうだが、
どれもこれも小手先ばかりで宮本武蔵の右に出るものなどいなかったのだ。
一本の刀を十分に使えぬものには二刀流など雲の上なのだ。
ここからは私見である。
本書の良い点は、良い意味で「夢見がちにならない」ということだ。
読者を褒めて褒めて、持ち上げて持ち上げて、といった啓発書は多い。
あなたの中には潜在能力がある。
これをすればあなたは抜きんでてオンリーワンになれる。
完璧に影響されて無意味な儀式を日々実践してしまう。
天才たちの偉業を知り、自分もいつかは!と思い込む。
夢を見るな!というのではない。
現実を見ろ!というのでもない。
天才たちの偉業を、どれくらいの偉業と捉えているかが重要なのだ。
理想を掲げるのと、妄想を抱くことの違いを自らの中で具体化せねばならない。
自分はリアリストか。
それともバーチャリストか。
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