忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ミニコミ 手塚治虫漫画全集 ブラックジャック パックA 

中学校時代からブラックジャックファンである。
何度読んでも感銘を受けるコミックはなかなかない。

一応タグはブックレビューとなっているが、今回の注目点は内容とは若干違う。

マンガと小説の違い」に関して感じたことを少々。

この作品の中にはピノコと呼ばれる助手(?)が出てくるが、
とある理由によりブラックジャックによってその体を「構築」され、この世に生を受ける。
ブラックジャックがピノコの顔を作る際、参考にした少女がいた。
彼女は医学書の写真で見つけたという。

ひょんな理由からその少女とブラックジャックは遭遇し、一つのきずなが生まれる。
がしかし、公害により彼女は帰らぬ人となったのであった。

普段物静かで冷徹なブラックジャックの顔には、押し殺せぬ怒りが現われていた。

そのたった一コマ。

言葉にならぬ渦巻いた感情が読者を包むのである。
この「言葉にならぬ」ことを表現できるというのがマンガと小説との違いである。

小説は昔のカセットテープに似ている。
カセットテープには磁気テープに音楽情報が刻まれており、
そのテープを自動で「送る」ことによってスピーカーから「音」として耳に入る。
これが停止してしまうと音にはならないわけだ。
小説には「言葉」のテープが紡がれており、その言葉は流れていないとストーリーにはならない。
そういった意味で「無言」という表現方法がないのである。

「無言を表現する」ことと「無言で表現する」ことの差がコミックと小説の差の一つである。

ブラックジャックはたくさんの短編からなるが、
その多くは問題を投げかける形で話を括る。
きっと手塚自身も答えを持ち合わせておらず、それ自身が答えなのだろう。
その「言葉にならぬ答え」を必死に描いた作品。

それが「ブラックジャック」である。
一読あれ。
PR
この記事にコメントする
color
name
subject
mail
url
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ロボット練習用ボードの製作 HOME 「決断力」
photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
忍者ブログ [PR]
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[01/24 ケロロ管理人]
[01/16 nas_iron]
[07/01 白石]
[03/11 北大サークル情報局運営委員会]
[09/13 うどんこしょういち]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
北のロボット博士
性別:
非公開
自己紹介:
北海道生まれ。
北海道にロボットフィールドを作ろうと日々奮闘中。
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
カウンター