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 巷ではハイチに千羽鶴を送るというニュースが話題だ。
いろいろな意味で興味深い「現象」であると電電自身思っている。

ちょっと分析してみよう。

この現象の参加者は大きく分けて3種類。

1.ハイチの人たちに千羽鶴を送ろうという人々
2.千羽鶴より救援物資だろ、と反論する人々
3.目くじらを立てるような内容ではないし、気持そのものは酌むべきだという人


千羽鶴を送ることそのものの議論はこの現象内である程度結論が出たようだ。

*現状において千羽鶴を送るのは運輸、現地の状況から判断して難しい(現地活動NGO談)
*タイミングをわきまえた上で、救援物資に軽く添えるくらい

千羽鶴を送ることの是非をここで問うてもあまり意味はない。
重要視されるべきは、ハイチを引き合いにして自らを正当化するロジックの組み方、
およびそれを公言することそのものである。

両方の視点を比較してみよう。

まずはハイチに千羽鶴賛成派(広義および総合的なものとする)

1.ハイチの人々が気の毒で、恵まれた私たちが何かできることはないか?
2.自分たちが差し出せる金額に限度はあるが、「がんばって!」という気持ちを伝えたい
3.何もしないくらいなら、気持だけでも何とか伝えよう
4.大したことは出来ない。でも何もしなければ何も変わらない。
5.何もしないくせに批難ばかりする人はどうかしてる。

もちろん千羽鶴賛成派が以上5つをすべて満たしているわけではない。
全体的傾向としてこれらの特徴が垣間見えるという判断である。

次に千羽鶴反対派

1.生きるか死ぬかの限界状況で、紙切れを渡される人たちの気持ちを考えろ。
2.鶴を送って気持が伝わるなんてのは、先進国的な平和ボケ思考だ。
3.折り紙を買う金があるくらいなら、それを救援物資に回すべき。
4.現地の反応を想像すれば偽善どころか嫌がらせだ。

全体的にリアリスティックな発言ではあるが、同時に悪意が無いとも言い切れない。

以上二派はパラダイムが違うがゆえにおそらくそのまま議論しても並行線だろう。
千羽鶴賛成派はハートフル重視であるがゆえ、プロトコルミスを起こしたと判断できる。
以前ブログでも書いたが、伝えたいことを伝えるためには伝える手法を間違えてはいけない、ということだ。
対し、反対派はリアリスティック重視であるがゆえ、善悪にかかわらず感情を否定するところで批難を受けた。

人間はどうやら感情を否定されることに敏感なようだ。

本題からそれた。戻そう。
ここでポイントとなるのは、
発言権には対価が伴うのか?ということだ。

いくつかの質問に答えてみてほしい。
1.この議論に対し発言する際、どのような責任を負う気がありますか?
2.発言には責任が伴うとよく言われますが、普段の発言に責任を感じますか?
3.自分の主張を通したいと思う際、その権限を手に入れるために対価として何を払いますか?
4.行動で発言権を得られるならば、どのように行動を定量評価すればいいのでしょう?
5.行動を定量評価できたとして、対価としてふさわしい敷居値はどうやって設定するのでしょう?

ケースバイケースであることは勿論だが、
発言権の対価は払い方もさることながらどれくらい払えばいいかもあやふやなのだ。

ゆえに
「何もしないやつが偉そうに人を非難するな!」
という発言は一見正論だが、その論理基盤は非常に脆いようだ。

募金をしたからと言って発言権が得られるとは到底思えない。
国際協力団体等に所属してないと発言権が無いかと言われれば違うだろう。
税金を納めていれば発言権があるかというとこれも違う。
憲法で保障されているから、というのもベクトルが違う。

なぜ違うか。
それは発言権が「ある・ない」の二択で捉えてしまいがちだからだ。
言い換えれば、
「何もしない人の発言にはそれ相応の重みしかない」ということ。

ここで重要なのは「何かする」ということは人によって比較できないということだ。
大学生が1万円寄付するのと、富豪が1億円寄付することは比較できない。

興味深い逸話がある。
とても貧しいスラムの中でマザーテレサが活動していた時のこと。
あるとき小さな少年が小瓶に入れた砂糖をマザーに寄付したそうだ。
自分の口に入る分を数日我慢して貯めたのだとか。

俺だったらキロ単位でくれてやるよ!と言ってもナンセンスなのは明白である。

自分がしたい、自分に見合った、自分に必要な行動。
それが自由議論における対価なのかもしれない。

皆で国際協力をするわけにはいかない。
皆で田畑を耕すわけにはいかない。
皆でプログラムを書くわけにはいかない。

何億もの人口は皆で生きるため、役割分担するために居るのだ。

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