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ドラえもんの秘密道具に「リアルキャップ」ってのがある。

この帽子をかぶって妄想すると、妄想したものが目の前に現れる!
という道具。
もちろんそれは幻で、本人にしか見ることができない。

本編においてのび太はこの帽子でスネオに対抗すべくラジコンを出す、というストーリーだ。

ここで二つの問いを読者に考えてもらいたい。

まず一つ。
誰でもいいから身近な人を思い浮かべて下さい。
その人は「存在」するだろうか?

二つ目。
現れたと同時に消滅してしまうような脆い物質、
それは果たして「存在した」と言えるだろうか?

一つ目の問いの答えはおそらく「Yes」だろう。
二つ目は意見が分かれるかもしれないし、
設問にそもそも問題があると言われるかもしれない。

この問いの答えそのものにさして意味はない。
人間が「何かの存在」を確実視するための要素がいかに不安定か、
ということが言いたかったわけだ。

ここで人間の心理に面白い特徴を見出すことができる。

「疑わしくなければとりあえず無意識に信用し、現実的な存在感を持つ」という特徴だ。

たとえば、シーラカンスの存在を疑わなくても、ツチノコの存在を疑う、といった場合。
両方とも実際に見たことがないにも関わらずここまで印象が違うのはなぜか。
シーラカンスもツチノコも写真は出回っているではないか。
しかしながら決定的に違うのは、その写真の出どころである。
シーラカンスは生物系科学雑誌に掲載されるのに対し、ツチノコは都市伝説雑誌等に掲載される。
つまりシーラカンスの存在を信じているのではなく、
シーラカンスの存在を述べる人に対し「疑わしくない」という印象があるだけなのだ。

すこし視点を変えてみよう。
ここで読者に再度考えてもらいたい。

「色」は存在するだろうか?

少しでも物理学に通じる人であればこの問いの意図をわかって頂けるかと思う。
結論から言うと、色は存在するとも言えるし、存在しないともいえる。

本来色とは、光の持つ特定の波長に対して人間の視神経が反応した結果、脳内に情報として受け取られる。
リンゴに白色光が当たると特定の波長だけが反射し目に入る。
その特定の波長の光を人間は「赤」と判断するわけだ。

要するに「色」という概念は人間の脳の中にしか存在しないってことだ。
現実世界では光を反射する物質の違いが存在するのみである。
同じように遠近感というものも人間の脳の中にしか存在しないが、
左右の視界差からそれが現実的だと思ってしまいがちだ。


人間は一度現実感を持ってしまった情報を疑うのが苦手である。
なぜならその現実感は無意識に形成され、なおかつ理論的でもなんでもないからだ。

最後に。
読者諸君、まず自分のフルネームを思い浮かべてほしい。
さて、それは本当にあなたの名前ですか?
発音の仕方や口の動きを意識して数分間自分の名前を呟いてみるといい。

ほら、疑わしくなってきた!
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