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先日も紹介した茂木氏の書籍で、
日本と海外の「失敗」に対する意識の差を紹介している。

過去に失敗経験のある人に
お金を融資するかどうか。

日本だと「この人はまた失敗するかもしれない」と考え、
米国だと「この人は他人よりも失敗から学んでいるだろう」と考える。


日本では学歴社会としての側面はいまだぬぐえず、
東大京大といえば、そのブランドで他人から信用されることも多々ある。

その心理自体はわからないでもなく、ある意味自然といえよう。
受験戦争を勝ち抜き、高度な授業を受け、優れた先生の元で論文を書く。
そういったイメージを抱いてしまう。

ここでは学歴社会そのものの弊害に関しては議論しない。
要は、ブランドのある大学で「学んだ」と思われるから信用されるわけで、
なぜ「失敗から学ぶ」時には失敗のほうを重視されるのか?という問題意識である。
その一種「失敗アレルギー」とも呼べる考え方が、
日本人のクリエイティブさを損なわせていると茂木氏は述べる。

先日非常に興味深い記事をネット上で確認した。
「マネーの虎」に出演した社長たちのその後の動向である。
マネーの虎とは以前TVで放映された番組のタイトルで、
ビジネスプランを持った人々が百戦錬磨の社長たちの前で説明し、
百万単位の金額を投資してもらう、というものだ。

これだけ聞くと非常にドラマチックな内容を想像してしまいがちだが、
実際は罵声の飛び交う相当シリアスな番組であった。
計画のずさんさ、意思の甘さ、モデルのチープさなど、
あらゆるところで厳しい指摘が飛ばされる。
言葉に詰まろうものなら、さらに畳み掛けるようにきつい質問が振ってくる。

とまぁ非常に視聴者を「選ぶ」番組であったわけだ。

年に10億単位、100億単位で稼ぐ社長たち。
番組終了後に倒産した方も存在する。
その記事、もしくはそれに類する記事では
「偉そうに罵声を浴びせたくせに、お前が倒産してたらざまぁねぇな」
といった皮肉が多く込められている。

日本人にとってはこの事象は「皮肉に値する」出来事なのだろう。

私見としては、
本来考えるべきこととして
「失敗しない人はこれからも失敗しないだろう。」
「失敗しない人は既に失敗しないノウハウを身に着けているんだろう。」
といった楽観的な発想ではないはずだ。

失敗したことが無い人というのは以下の傾向が高い。
*リスクを背負う気が無い
*失敗から回復する体力がない


ここで断っておきたいことは、
リスクを負わない事が必ずしも悪いと言っている訳ではない、という点である。
不要なリスクを負う必要など無いし、
リスクを負うことがかっこいいと思う奴など危険極まりない。

重要なのは負うべきリスクさえ負わない、他人に背負わせる愚である。
本来どんなリスクは負ってしかるべきなのか、に関してはここでは議論しない。
本題はチャレンジ精神に基づくリスク、失敗に対する考察であるからだ。

リスクの無いチャレンジなど、チャレンジでは無いはずだ。
「今年はスノーボードにチャレンジしました」等という文章が出てくるのは
チャレンジという単語に対する価値観がそれほど高くないことを示している可能性が否めない。

そういった意味で、浮き沈みの無い人は本来信用しづらい人なのだ。
日本で言う「堅実な生き方」は、同様の選択思想を持つ人から信用されやすいだけに過ぎない。

先にも同様に述べたが、
堅実に暮らすことそのものは、それ以上でもそれ以下でもない。
その暮らし、生き方を望む人もいれば望まない人もいる。

が、現代において日本人が言うところの「堅実に生きる」ための対価は
本人たちが思っている以上に大きい気がしてならない。
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