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「ロボットの天才」 高橋智隆著

ロボット界では相当有名になった高橋氏。
そのクオリティの高いロボットデザインに誰もが舌をまく。
ロボットクリエイターという自称の職業を持ち、世界を飛び回る。
彼が製作したクロイノやマノイといったロボットたちは、
制御系の人間から見れば普通のホビー系ロボットなのであるが、
そもそもこのロボットたちの土俵は制御ではない。

そのコンセプトやデザイン、作り込みが周りの人間をうならせる。
ある意味ロボットというのは単純な手段であり、
その「モノ創り」という点において非常に高度なのであろう。

彼はモノ創りをする上で「手作り独特の素朴さ」というのは嫌いなんだそうだ。
彼曰く「手作り独特の素朴さなんてのは、作りの荒い言い訳でしかない」と。
いろいろ思い当たる節のある電電はここで苦笑いしてしまう。

これまでに私が製作したロボットたちは、手作り独特の素朴さ丸出しである。
ただ、以前のブログでも述べたように
「動くもの(とりあえずの完成)をまず一つ作れば、世界が変わる」(元は茂木健一郎の言葉)というは
製作の初段階としては重要であり、その対価として手作り独特の素朴さが出てしまうのかもしれない。
大抵はコンテストが対象であったり、機構を子供たちに見せるためであったり、
様々な要因によってデザインが最重要事項にまで上ってこないのだ。
そういった点を考えると、高橋氏のモノ創りのアプローチとはまるっきり違うのだと考える。

高橋氏がロボット製作というよりモノ創りといったほうが正しい、と考える要因は数々ある。
その中でも印象的なのが、「図面を引かない」ことだ。
ロボットの製作において設計してから図面を引くことは基本中の基本であるが、
彼の場合は必要なものを除いて、あとは「フリーハンド」である。
しかも彼の「フリーハンド」が製品レベルのクオリティを出すから驚きだ。
がしかし、ここでモノ創りがメインテーマであることを忘れてはいけない。
つぼ職人が設計ソフトで図面を引いてから壷を作るだろうか?
否である。
つぼ職人は全て手の感覚、長年の経験から美しい造形美としての壷を生み出している。
そこに高橋氏のモノ創りへの姿勢というものが被ってきている気がする。

チーム大阪のヴィジオン達もなかなかイケてるデザインなわけだが、
仮にあの外装が無ければどれほどの話題が生まれたであろうか。
もちろんロボットに元から興味のある人々には同じように話の種にはなるだろうが、
それ以外となると「ふーん」で終わってしまいそうだ。
そこにあの外装があるがゆえにライバル国へ日本のロボットを印象付け、
こんな可愛いロボットが世界大会で優勝した!と日本内部へのアピールも出来る。
実際去年札幌で行われたビジネス系イベントでヴィジオンが来ていた時は
老若男女関わらず、大きな人だかりが出来ていた。

ロボットとはあらゆる総合体である。
そのアプローチの順番を変えるだけで、また新たなものが生まれてくる。
動いてナンボの世界にかっこよくてナンボのテイスト。
日本のロボット界はまだまだ楽しくなりそうだ。
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今年の目標の一つにブックレビューを100件書く、というのがある。

今日はその記念すべき1冊目ということだ。

スティーヴン・コヴィー著「7つの習慣」

結構前に買った本であるが、ボリュームが多く読むのは若干時間がかかってしまった。
その分、この本から受けた影響は少なくない。
子の中には人を導く7つの日常的習慣のススメが述べられており、
それは少しずつ高尚なほうへとステップを踏んでいく。

その中で受けるパラダイムシフトは貴重なものであり、
人が多くの精神的依存状態にあることを示している。
その中で筆者の述べる主体性により、人は「変えたい」から「変わりたい」へと意識改革が可能だ。

それ以外に筆者の家族システムとしての気付きも多く、それは以前のブログでも私は述べている。
日本が親子・兄弟・姉妹と上下関係的な要素が多く含まれるのに対し、
米・西洋では年上であっても兄弟や姉妹を名前で呼び合い、家事分担の進みなど
家族全体のパートナーシップが非常に構築されている。

子供でも親でも家族としてのパートナーという概念は日本にはあまりなじまないのかもしれない。
結果として子供も親も主体性を発揮できず、子供を思い通りにしよう、親をいいくるめよう、といった
不運な精神的依存状態となってしまう。悪いのは相手であると。

その精神構造から開放し主体を自分にすえ、責任自覚をなすことによって
かえって安楽的なコミュニケーションを家族問わず他人と図ることも十分に可能なのである。

以前にロボット系イベントにて子供たちの相乗効果に関して述べたことがあったが、
本書によってその原因を知ることが出来たのは私にとって一つの驚きであった。
子供たちにとって意見の食い違いとは衝突以外の何者でもなく、その解決方法を知らない。
両者とも自分が正しいと考えており、各々のロジック・論理も間違いではない。
そこで如何に違う意見から相乗効果を発揮し優れたロボット・ルールを作るかが課題であり、
結果として子供たちはそれを乗り越えすばらしいモノを見せてくれた。

ちょっとしたパラダイムシフトから得られる結果の差は目を見張るものがあり、大きな糧となるだろう。
そういった意味でこの本は良書であると私は考える。
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北海道生まれ。
北海道にロボットフィールドを作ろうと日々奮闘中。
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