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最近少しずつ名前が売れてきた「進撃の巨人」
3巻まで一気読みしましたが、よくできてるというのが感想。

人間を捕食する巨人たちと、人間たちの壮絶なバトル・・・
と思いきや、実際は巨人たちの一方的な殺戮がメインです。

そういった意味で「よくあるヒーローモノ」でないところが良い。
食物連鎖のピラミッドに君臨するのが人間ではなく、
圧倒的な生命力と捕食能力、戦闘能力をもった巨人たち。
その生態に多くの謎を秘め、今日も人間を脅かすわけです。

イラストが荒いところが気になりますが、
弐瓶勉氏も最初はそうだったし、
ドラゴン桜の三田氏もストーリーが良ければイラストは二の次の人。

実際それでもいいと思えるほど面白いストーリーに巡り合うのは滅多にないが、
「進撃の巨人」は先が気になるコミックのトップランキングです。

タイトルの「王冠をかぶった家畜」は本書を読み進めるうちにひらめいたセンテンスです。

巨人を阻むための50mの岩の塀に囲まれて100年の平和を手に入れた人間が
少しずつ巨人たちからの脅威を忘れて堕落していく描写がある。
飲んだくれる門番兵は主人公格の少年から「家畜」呼ばわりされるわけですが、
平和と安心が手に入るのであれば別に家畜でも構わん、と言う兵士たち。

結局彼らは「おいしくなる」まで「小屋でよいしょされた家畜」であり、
最終的に巨人たちに捕食される運命となる。

知性と恐怖心、闘争心は二項対立的に捉えられることが多い。
実際サルを用いた動物実験において、脳に手を加えて「恐怖心」を取り去ったサルは
あらゆるものを口に入れる行為が観察されたそうだ。

実験をした研究者の所見によれば、
本来生物は食べられないものに対する一定の危機感や恐怖感が存在するという。
これを食べると口が痛い。これを食べるとおなかが痛くなる。
これを食べると死に至る。
恐怖感を失ったサルは危機管理が一切できず、
何でもかんでも口にしてしまうのだとか。

恐怖感やそれから派生する保護本能といったものは
IQを低くする傾向にあるそうだ。
IQを低くすることで恐怖感を抑え、
保護本能を闘争心へと変えて相手を撃滅する。
実際よくできた脳のアルゴリズムといえよう。

が、IQを高くすることのみに熱中している人間は
闘争を野蛮視し、平和こそ至上、それを崇拝する人間こそ生物の極みとして
王冠をかぶり続けると捉えることが可能だ。

誤解なきよう述べるが、
「闘争を忘れた人間は家畜同様である」などと述べる気は毛頭ない。


その知性ゆえに多種との協調可能性を秘める人間そのものが至上であるとするならば、
「平和こそ至上」という皮をかぶった「安寧こそ至上」とする個別主義の闊歩が危惧対象であるからだ。

どんなにゆったり飛んでいる飛行機でも、
エンジンを止めれば墜落するしかない。
安寧を求めるのであれば、もともと離陸しなければいいわけだが
既に人間たちは知性の高みを求め、空高く飛んでしまっている。

今から着陸することは人間そのものが許さないだろう。
王冠をかぶった家畜が空を飛ぶという光景はいかにもシュールであるが、
パンドラの箱、知恵の実のごとく、知性を手に入れる対価は高くつきそうだ。
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