知人のブログにコメントしてて、
非常に長くなったので自分のブログにも掲載することにした(笑)
「価値観」
それは、誰のニーズをどれくらい満たすのか。
誰も必要としないものには価値は無い。
逆に、万人に必要なモノに対して価値観はさほど必要無い。
人間にとって水が必要かどうかで議論は起こらない。
もちろん健康や資源論としての議論は起こる。
それは水というより健康や資源といった価値観を通して水を見るからだ。
人によって必要だったり必要なかったりするとそれこそ価値観の出番。
教育が必要かどうか。
生活保護制度が必要かどうか。
パソコンが必要かどうか。
高速道路無料が必要かどうか。
原子力発電所が必要かどうか。
KYとはある意味「人のニーズが理解できない」人を指す。
ここで重要になるのは
「人のニーズを知っている」ことではなく、
「その人のニーズがなぜ存在するのか」を理解するかどうかだ。
具体例をあげよう。
ファミレスで食事中に煙草を吸う人、吸わない人。
二人が同席した場合を考える。
まず、喫煙する人がKYであるとしよう。
同席している人物が「タバコが嫌い」というぐらいの認識しかない。
では「タバコを吸いたくないというニーズ」がどこから来るのか。
本人は食事を楽しむのは味だけではなく香りもそうであると考えている。
実際鼻をつまんでモノを食べると味はなかなかわかりにくいものだ。
ゆえに、食事中に煙草を吸う人の気がしれない、ということになる。
煙草を吸い慣れている人はそれほどにおいを気にしない。
だから相手のニーズが理解しづらいという問題点が出る。
匂いが食事に及ぼす影響はとても大きい。
試しに焼きそばにパルメザンチーズをかけてみると良い。
動物園のゾウのにおいがしてくるはずだ(笑)
以上より、「食事中に煙草吸うなんておまえKYだな」となるわけだ。
では次に、煙草を吸わない人がKYだとしよう。
彼は食事とは味覚や嗅覚等、五感で楽しむものであるというこだわりがあり、
そのこだわりそのものにも自信があると同時に、
料理を提供した側に対する礼儀であると考えている。
彼にとっては食事中の禁煙は料理に対する冒瀆以外の何物でもない。
しかしながら彼は、相手がなぜ喫煙をするのかに理解がない。
相手はタフな一日を終えて、相方と他愛もないおしゃべりをしながら食事を楽しみ、
一服することに本日の自分への報酬としている。
高級料理を食べているわけでもなく、煙草自体は店側も容認している。
ゆえに、ファミレスの定食に五感をフルで使うやつの気がしれないのだ。
結果「ファミレスで独善的な持論を展開するなんてKYなやつだ」となる。
双方とも相手のニーズに理解がない時点でKYなのである。
ゆえに、価値もしくは価値観といったものは
金額等で定量評価できるもの以外は、その優劣は存在しない。
優劣が存在しないがゆえに「価値観」なのである。
ニーズという視点からは離れるが、
KYという点に関して過去に興味深い実験がなされている。
なぜ子供はKYなのか、という実験だ。
まず、子供に牛乳パックを見せて質問をする。
「このパックの中には何が入っているのかしら?」
子供はすかさず
「その中には牛乳が入っているよ!」
と答える。
そこで実験担当者が牛乳パックをあけてみると、牛乳ではなく
中にはリボンが入っていた。ちょっとしたびっくり箱である。
そこで改めてその子供に質問する。
「家に帰ってお母さんにこの牛乳パックを見せたら、
お母さんは中に何が入っていると思うかしら?」
子供はすかさず
「リボン!」
と答えたそうだ。
実験の一例に過ぎないが、多くの子供にこの傾向が見られたそうだ。
子供がなぜKYなのか。それは、
「自分が知っていることや思っていることは、
他の人も知っていて、同じように思っている」
という裏付けのない先入観があるからだ、と結論付けられたわけだ。
この実験に基づけば、KYとは無意識かつ独善的であり、
思考プロセスが低年齢的であるということである。
一般に「大人とはどんな人か」との問いに対し、
「気使いができる人」
「人の話に耳を傾けられる人」
「視野が広い人」
等等の答えが得られるのは、
KY=「大人ではない」という考え方があるからではないだろうかね?
実際KYとはかなり広い意味を持っているように思うので、
「KYとは」を考えた上でそれをどのように使うか、じゃないかな。
空気を読んで遠慮して行動出来ない人になってしまうのであれば、
むしろ敵を作る可能性を知った上で空気を読まず行動に出た方がよっぽど良い。
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北海道にロボットフィールドを作ろうと日々奮闘中。