「脳にいい勉強法」 苫米地英人著
苫米地氏の著書はだいたいチェックしているのだが
最近また一冊出ていたので買ってみた。
最近の氏の著書傾向としてメインメソッドからサブメソッドへと
その形態が変貌をとげてきている気がする。
コンフォートゾーンやスコトーマといった
一般人にはなじみのない心理学・脳科学的な要素に焦点を当てて
彼自身の見解およびそれを用いた自己管理・自己成長メソッドが当初の著書であったように思う。
メインメソッドからサブメソッドを主軸としていることそのものには
何ら問題もないことをあらかじめ断わっておく。
他の読者からはいろんな不満の声が聞こえてきそうだ。
実際レビューなどを参考にしてみると
「以前の著書で書いた内容の焼き増しじゃないか!」
「目新しい内容がほとんどない!」
しっかり読みたまえ、読者諸君。
そもそもメインメソッドがコロコロ変わる著者など信用できまい。
あえて抽象的なものを最高位のメソッドとおくことで、その具体化の枝を
著書として読者の窓口に提供しているだけにすぎないのだ。
苫米地シリーズを読み始めたばかりの人々であれば
そのメインメソッドとしてのスコトーマやコンフォートゾーンに目から鱗を落としたのであろう。
著書における真実と現象を区別せねば、メインメソッドばかりを口をあけて待たざるをえない。
人間にスコトーマやコンフォートゾーンが存在する、というのは真実である。
それを各種訓練や行動によって操作できるというのは現象である。
あらかじめ真実を述べた上でそれを意のままにコントロールする現象。
本のストーリーとしては至極普通のはずである。
例をあげよう。
電電が好んでよく見る「X-File」シリーズであるが、
この作品において「超常現象が世に存在している」というのが真実である。
主人公のFBI捜査官がその真実に基づいて事件の真相に迫るというのが作品としての現象である。
真実がコロコロ変わったらその時点でその作品は「X-File」ではなくなるのだ。
X-Fileを好んで見る人々は「現象としての作品」を見ることを望んでいるはずである。
だんだん話がそれて来たのでレビューへと戻ろう(笑)
今回のメインテーマは「勉強法」である。
最後まで忘れてはいけない。「勉強法」である!!
効果的に勉強するために、
苫米地メソッドをどのように使うか、どのように機能しているかを
9章にわたってまとめてある。
冒頭にも書かれている「がんばるとIQが下がる!」というのは
『夢実現脳の作り方』でも書かれていたが、
せっぱつまった状態で創造的な仕事が出来ないことは万人の経験するところである。
かく言う電電もいまだになおしきれない欠点なのだ。
ただ、仕事にしろ勉強にしろ、先手必勝であることはだれもが認めるが
それに向かうモチベーションが低ければ先手必勝はただの単語と化す。
それに関してモチベーションの向上に関する記述が本書にはある。
今回初めて出てきた「モチベーションストーリー」手法はなかなか面白い。
詳しくは本書を読んで頂きたいが、
脳の「臨場感を求める」ところと「いい加減なところ」をうまく利用した手法である。
脳を活性化し、ひらめきを誘導し、その一連の行動動機(モチベーション)を高める。
ひらめきの誘導に関しては茂木健一郎氏の著書と併せて読むと効果的だ。
01 | 2025/02 | 03 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
北海道にロボットフィールドを作ろうと日々奮闘中。