■ロボットフィールド・プロデュースにおける企画作り
子供達自身にコンテストを企画してもらうという内容。
テーマやルールなど事細かに企画してもらうわけであるが、重要だと考えられることを以下にあげる。
●コンテストに参加する方も見るほうも「楽しめる」こと
●社会的に意味のある内容であること
●その社会的な内容を表現するための手段を推敲すること
●ケンカのしかた
とりあえず4点。今後も増える予定。
この4点においてアンダーグラウンドな共通点に気づくだろうか?
「意思疎通能力」である。
ここで言う意思疎通能力とは単なる情報伝達能力ではない。まずは1番目から見ていこう。
1.コンテストに参加する方も見るほうも「楽しめる」こと
おそらく最初に陥る穴は「企画していて面白い」と全体的に面白いと思ってしまうことである。もちろん存分に企画を楽しんでもらい、創造力を駆使していただきたい。しかしながら「どのような内容であれば『相手』が楽しんでくれるだろうか」という思考へ持っていくのはなかなか大変なのである。なぜなら真剣に考えてしまうあまり「誰か部外者に企画を見てもらい、その感想を聞く」という作業を忘れてしまいがちだからだ。
つまり、「担当する」とは「自分達だけで抱え込む」事では無く、必要に応じて「他人とコミュニケート(質問・相談)する」ことが大事なのである。
2.社会的に意味のある内容であること
これをそのまま子供達に伝えるのは難しいであろう。例えば、タイヤを持ったロボットが10m走をしたら楽しいだろうか?もちろん大して楽しくは無い。なぜなら「10m走をするためにロボットである必要が無い」からだ。ミニ四駆を走らせるほうがよっぽど盛り上がる。つまりここで子供達は
「ロボットの存在意義、あり方」
について考える必要が出てくるというわけなのだ。ロボットでコンテストさせる意味、どのような企画がロボットにふさわしいのか。単なる遊びではなく、リアルな考えを持って欲しい。そしてその指標になるのが「教科書」というわけだ。もちろん図書館で本を探しても良いのだが、漠然とするあまり子供達はどの本を読んで良いかすら戸惑ってしまう可能性がある。ゆえに誰もが持っている数冊の教科書を一番最初に読むものとして位置づけるのである。社会科の教科書なら企画担当員全員で社会科の教科書を読み合えばよい。そしてコンテストの企画として有効であると判断したネタを相手に「表現」し、「議論」して欲しいのだ。 この項目に関して「社会的とは何か」を述べてはいないが、どの視点から何に対しての社会的かということが大事になる。これに関しては後日改めて述べることにしよう。
3.その社会的な内容を表現するための手段を推敲すること
ネタが決まったとして、それをどのように企画にするかが問題となる。つまり、そのネタをフィールドにてどのように表現するか、ということだ。重要なのは企画者の「メッセージ」を乗せることである。その答え・ヒントは教科書の中にある。
例えば『生活排水による河川汚染』というネタを社会科の教科書から得たとしよう。これをどのように企画にするか。そのメッセージとは何か。ルールを簡素化して以下にあげる。
○ロボットで河川汚染を阻止、軽減する
○川に汚染水を流し込むパイプに蓋をすれば1点
○家の流し台にある油オブジェクトを取り除けば3点
○制限時間内に点数を多く取ったほうが勝利
この企画のメッセージとは何であろうか。
川に流れ込む汚染水を阻止すれば確かに河川の汚染は防げるであろうが、その汚染水をどう処理するか問題が残るため根本的な解決になっていない。というわけで1点だけなのである。対して、汚染の源と設定された家庭から汚染を取り除く(排水溝に油を流さない)という根本的な解決策には3点を与えて「排水パイプに蓋をするよりも重要である」というメッセージを載せているのである。ここまで至る点数設定などの過程においての推敲が大事ではなかろうか。
4.ケンカのしかた
ケンカとはいっても殴り合いではない(笑)
意見の対立をどのようにすり合わせていくかである。これが普通のケンカであれば好きなだけ屁理屈や責任のなすりあいで平行線をたどりかねない。がしかし、企画する上での主張のし合いであれば、その根拠をネタ元である教科書に求めることが出来る。ベースに教科書が来るため屁理屈喧嘩よりはるかにロジカルな議論が出来るようになるのではないだろうか
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北海道にロボットフィールドを作ろうと日々奮闘中。