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■「日本人にとってロボットはヒーローである」

ロボットと言われて思い浮かぶものはなんでしょうね?
私であればASIMOやドラえもんあたりなのですが、世代によっては鉄腕アトムや鉄人28号、人によってはウェアラブルロボットHALなどを思い浮かべるようです。ただ、共通点があることに気づきませんか?この質問に対して日本人が思い浮かべるロボットは「人間の味方、ヒーロー的存在である」ということなんです。場合によっては味方どころか「家族」ということもありますね。ドラえもんはノビ家の家族同然だし、鉄腕アトムも家族がいます。人の生活という非常に深い部分まで精神的にロボットが入ってこれる状態はなかなか珍しいようですよ。

これに対し、海外でのロボットに対するイメージはどんなものでしょう?
実はターミネーターなどの「超ハイテクなもので危ない使い方が出来る兵器に近い存在」という捉え方が多いようです。映画にもよく表れますね。ハイテク機器でお金儲け、もしくは研究で功績を残そうとして失敗しマシンが暴走したとかいう設定がかなり多いわけです。加え、海外での映画におけるヒーローは「人間もしくは人間ベースの超人」が大半です。スーパーマン、スパイダーマン、バットマン、そしてロボコップも!ロボコップといいつつベースは人間ですからね、あれは。そして、その人間ヒーローの敵役もしくは敵が使用するものがハイテク機器やロボットだったりするわけです。

さて、ここまでの差が出るのはなぜなんでしょう?
この流れは古く、江戸時代からあったようです。皆さんご存知、カラクリ人形は西洋から輸入された時計からヒントを得て作られたものです。時計は実益的なのに対し、カラクリ人形自体は全く役に立ちません。日本人のそうしたカラクリ・機構に対する遊び心や芸術心が今でも息づいているように思えるのです。二足歩行ロボットの有用性に疑問を投げかける人が多い中、それでもなお二足歩行ロボットは絶大な支持を得ています。ケロロもその一人です。確かに二足歩行よりタイヤや多足のほうが安定するに決まっています。でもねぇ、理屈じゃないんですよ。もちろん世に出すには数々のハードルを越える必要があり、中でも二足歩行が困難を極めることから合理的ではないというのは正論です。でもロボットに携わる人間はロボットが好きな人間ばかりです。その人々は幼いころからヒーローとしてのロボットに触れることがあったはずで、そしてそのロボット達の多くは二足歩行だったのです。ドラえもんも一応二足歩行ですし(笑)。そこらへんで、ロボットを作る意欲というものを書き立てる要素の一つに人に近い形、自分が今までになじんできたロボットの形を追い求めているのかもしれません。人間は理屈だけでは動くことは出来ないと考えます。行動をおこすために大事なのは意思決定。そしてその意思決定に大きく関わるのは感情、想いによるところが大きいと思うわけです。
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