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 機関車を擬人化するとトーマスになる。

といったように、「擬人化」という手法は巷に溢れている。
がしかし、「擬人化」とはそもそも何なのかを明確に説明するのは難しい。

国語辞書においては

【擬人】
人間ではないものを人間に見立てて表現すること。

とあるが、トーマスは機関車としての機能や外見を多く残しており
辞書通りの「擬人化」をしているかといえば疑問が残る。


 
私見を述べるとすると、
「人間の身体的特徴および能力的特徴をシンボル化し、それを対象物に付加する行為」
が擬人化であると考える。

要は、
●言葉をしゃべる能力
●四肢があって二本足で歩く能力
●大多数の人間にとって違和感のない「心」の概念を持っている

と、いろいろ特徴がある。
それらを「行動」なり「外見」なりでシンボル化することで擬人化を図ることが可能なわけだ。

トーマスであれば「日本語」を話し、人間的な顔を持って表情による感情表現もできる。
そういった点から考えるにトーマスも十分「擬人化」された対象であると言えよう。

さらに深堀すると、擬人化をする対象にはいくつかの前提条件を必要とする。
●もともと人間ではない(当たり前のようだが非常に重要な項目)
●実体、少なくとも可視化できる存在である

一つ目に関してあえて述べたのは、
「人間の擬人化」という一見矛盾した表現はなりたつか?
という問いを投げかけるためである。

ゾンビ、幽霊ははたして「擬人化」されたものなのか?ということである。
両者とも人間ではないからこそあえて「ゾンビ」「幽霊」という名前がつくが、
もともとは人間であったことは確かである。

これらは「逆擬人化」と言えよう。
もともと人間だったものを人間以外のものにする表現。
もともと人間であったがゆえに、その人間的シンボルを残しているため不気味に感じられる。

では後者の「少なくとも可視化できる」という条件はどのようにとらえればいいだろうか?
たとえば、「政治」を擬人化することを考えよう。
政治とは「システム」「現象」を総合的に示しているため、実体もなく視覚化も難しい。
それ故に擬人化が困難であることは想像するにたやすい。

が、不可能なわけではない。



以前にも紹介したこちらの作品。
荒木氏の「ジョジョの奇妙な冒険」である。

第三部から「超能力の擬人化」が行われており、
作品中では登場人物の背後に立つことから「スタンド」と呼ばれる。
著者の荒木氏自身「能力っていうものをイラストで表現できたら面白い」と述べており、
それを最もわかりやすく表現した作品と言えよう。

ただし、今回の擬人化の話をするならば
荒木氏の提案した「スタンド」という概念は擬人化しやすい対象であったと言える。
作品中でみられるその「超能力達」は非常に個性豊かであるが、
その能力にはわかりやすい「結果」が伴う。
何かを破壊したり、燃やしたり。
ボスクラスになると、時間を止めたりするが
抽象度が高いとはいえ想像することそのものは難しくない。
ドラえもんの秘密道具を擬人化した、といえば分っていただけるだろうか?

さて、政治の擬人化の話に戻ろう。
政治にはいったいどんな「結果」があるだろうか?
確かに多くの結果は存在するが、
たとえば一つの結果である「郵政民営化」を擬人化するにはどうしたらいいだろうか?
「民営化された郵政」を擬人化することは出来るだろうが、
「郵政の民営化」を擬人化するのは至難の業である。

ここら辺を「表現力」で達成する作品が出てくるとすれば、
非常に面白いに違いない。
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